その「客観的な事実」、本当に信じて大丈夫ですか？

いとばや先生｜文化人類学者

文化人類学者としての私の探求は、シンガポールの喧騒に満ちた路地裏から始まりました。そこでの長期的なフィールドワークを通じて、書物から得られる知識だけでは決して到達できない、「現場」に生きる人々のリアルな論理と価値観を深く理解することの重要性を痛感しました。学問の世界で得られる深い洞察と、ビジネスや社会の現場で求められる実践的な知恵との間にある大きな隔たり。これこそが、私が研究者として直面した最大の課題でした。 私がリベラーツでこの知見を共有することに情熱を燃やすのは、人類学の「レンズ」が、私たちの凝り固まった世界の見方を劇的に変える力を持っていると確信しているからです。AIが瞬時に「答え」を提示する時代だからこそ、私たち人間には、その答えを鵜呑みにせず、自らの「あたりまえ」を疑い、物事の背後にある意味の網の目を読み解く力が不可欠です 。 リベラーツでの私の最大の目標は、単に人類学の知識を伝えることではありません。AI時代を生き抜くための「判断力と自律性」を皆さんが自らの手に取り戻すこと、そのための「思考のOS」をインストールするお手伝いをすることです 。